公開済みの「【Google Earth】岐阜県 全市町村 3Dリスト/3Dエリア」では、多治見市・土岐市・瑞浪市を3D表示対応都市として掲載しました。
これら3都市は岐阜県東濃地域西部に位置し、名古屋市のベッドタウンとして中京都市圏を支える重要な都市群のひとつです。
そのため、Google Earthで3D表示されていても何ら不思議ではなく、むしろ都市景観を好む方にとっても地域の発展や都市規模を考えれば喜ばしいことと言えるでしょう。
しかし、日本各地のGoogle Earthにおける3D表示都市と未対応都市を見渡してみると、東濃地域の3D表示は単純に「人口が多いから」「名古屋に近いから」というだけでは説明できない、非常に興味深い特徴を持っているように感じます。
実際に地図上で観察してみると、この地域の3D表示エリアは全国的に見ても少し特殊な広がり方をしているように見えました。
なぜ私はGoogle Earthの3D表示において東濃地域に強い関心を抱くのか。その理由について地理的な視点も交えながら考察してみたいと思います。
岐阜県内の3D表示エリアとその構成
まず最初に岐阜県におけるGoogle Earthの3D表示エリアの実体を説明致します。
広大な岐阜県内において、市街地が3D表示されているエリアは実質的に1か所です。
他県では県庁所在地や主要都市ごとに独立した3D表示エリアが点在しているケースが多く見られます。しかしGoogle Earth上では、岐阜県内の3D表示エリアは中京都市圏の広大な3D表示エリアと一体化しているのが特徴です。
岐阜県南部は中京都市圏の一翼を担っており、中心都市である名古屋市とは交通網だけでなく、市街地や地形的にも概ね連続しています。そのため、この状況自体は大都市圏ならではの現象と言えるでしょう。
3D表示エリアは1か所ですが、地域的な特徴を踏まえると、主に次の3エリアによって構成されていると考えられます。
- 濃尾平野エリア(岐阜市・大垣市など):画像 緑色
- 中濃地域エリア(美濃加茂市など):画像 オレンジ色
- 東濃地域エリア(多治見市・土岐市・瑞浪市など):画像 青色
これら3つのエリアが連続することで、岐阜県の3D表示エリアが形成されています。
今回注目したいのが、その最東端に位置する東濃地域エリアです。
濃尾平野とは異なり、中濃地域や東濃地域は地形的にも都市構造的にも独特な環境にありながら、広大な中京都市圏の3D表示エリアに組み込まれています。
なかでも東濃地域は、その特徴が特に色濃く表れている地域です。
山地と丘陵地が連続する地形の中に都市が点在しながらも、Google Earth上では中京都市圏の3D表示エリアの一部として表現されています。その景観には他地域ではあまり見られない面白さがあり、私は強く惹かれるのです。
東濃地域(西部)の地形の特徴について
次に、本記事の主題でもある東濃地域(西部)の地形的特徴について見ていきます。
私がその地形に注目するのは、日本のGoogle Earthにおいて、3D表示エリアの形成と地形との間には密接な関係があるように感じるからです。
東濃地域(西部)は、愛岐丘陵の延長線上にある丘陵・低山地帯に位置しており、なだらかな起伏が広く断続的に続くのが大きな特徴です。
平野部のようなまとまった広い平坦地は少なく、河川沿いや盆地状に開けたごく限られた土地に市街地が発達しています。多治見市、土岐市、瑞浪市では、その平坦地が点在するように分布し、それぞれの市街地は丘陵や山地に囲まれる形の中で成立しています。
Google Earthで俯瞰すると、濃尾平野のような一体的な都市の広がりではなく、緑の起伏のなかに市街地がまだらに現れている感じがよくわかります。
東濃地域の3D表示が特異に感じられる理由
日本の都市構造を知る方にとって、東濃地域(西部)・中濃地域は中京都市圏の一部として認識される地域です。そう考えると、濃尾平野から愛岐丘陵を越え、その先のまだらな丘陵地帯にまでGoogle Earthの3D表示エリアが連続して広がっていること自体は、ごく自然なことに思えるかもしれません。
しかし、日本のGoogle Earthの実情を見ると、大都市の平野部を中心に3D化される例が多く見られます。そのため、濃尾平野の先に広がる中濃・東濃地域は、地形的な条件から見れば、Google Maps側の判断で3D表示の対象外となっていても不思議ではありません。
ところが実際には、東濃地域や中濃地域のような起伏に富んだ丘陵地帯まで3D表示されています。
特に東濃地域に至っては、驚くことに大まかな広域表示ではなく、市街地の広がりに沿うように丁寧にエリア化されています。そうした東濃地域の各都市を詳細に俯瞰すると、Google Earthでしか味わえない都市景観の魅力を感じることができます。
これも、私が東濃地域(西部)の3D表示に強く惹かれる理由のひとつです。
Google Erath 3D × 東濃地域(西部)
東濃地域の都市の共通点は丘陵地が市街地の近くまで迫っており市街地の広がりもより限定的だということです。そうした地形のなかに展開する自治体の中心市街地をGoogle Earthの3D表示で俯瞰できるのは、日本国内でも極めて珍しい例といえます。
Google Erath 3D × 多治見市
多治見市 の市街地は多治見盆地と言われる周囲を丘陵に囲まれた限られた地形のなかにあります。市街地は丘陵の裾まで埋め尽くされており、盆地全体が市街地そのものと言えます。
多治見駅周辺には大小さまざまなビル群に加えて、大型再開発による商業市施設やタワーマンション、市役所分庁舎が立地しています。名古屋のベッドタウン感よりも大都市圏に属さない地方中心都市といった風格がある街並みです。
一方、多治見駅北口に目を向けると、駅前の一等地には大規模な貨物駅が広がっています。北口側の都市計画は概ね完成しているように見えますが、その景観は貨物駅と都市機能が見事に共存した結果ともいえるでしょう。
一般的な都市であれば、駅前の貨物ヤードを移転し、その跡地を駅ビルや大規模再開発に活用することが想像されます。しかし多治見駅では、そうした一等地に現在も貨物駅が残されています。
これは、多治見における貨物輸送拠点の重要性を示しているようにも感じられます。
利便性の高い名古屋都市圏のベッドタウンとしての側面を持ちながら、同時に物流の重要拠点としての役割も担っている、そのような都市は、現代では決して多くないのではないでしょうか。
一方で駅前と土岐川を隔てた本町周辺は、古来より美濃焼で栄えた多治見市の歴史そのものとも言える空間で、まるで別の自治体に迷い込んだかのように別の顔を見せてくれます。
Google Erath 3D × 土岐市
土岐市も見事なまでに盆地そのもの=市街地です。
土岐市の中心市街地も、多治見市と同様に駅の近くを土岐川が流れています。しかし土岐市の場合は、その間を支流が蛇行しながら流れており、街の輪郭をより印象的なものにしています。Google Earthで様々な角度から街を俯瞰してわまることですね。
そして土岐市で特に目を引くのが、近代的で機能性の高さがうかがえる駅前広場です。2020年に整備が完了したとのことで、すっきりとした都市空間が形成されています。一方で、その周囲には商家風の趣ある建造物も残されており、近代的な駅前広場との対比が印象的です。
新しい都市空間と歴史を感じさせる街並みが共存する景観は、土岐市への関心をより一層掻き立ててくれます。
Google Erath 3D × 瑞浪市
瑞浪駅前は土岐川の流域が迫っているため特に密集度の高い箇所です。駅前空間が広がる他の都市とは異なり、駅前周辺の限られた土地を活かすように、中小規模の雑居ビルや商業施設が軒を連ねるように立ち並んでいます。
瑞浪市の中心市街地は、丘陵に挟まれた比較的狭い盆地内に形成されています。さらに土岐川の蛇行や段丘地形といった自然条件の制約を受けながらも、整然とした街並みを形成していることが印象的です。
そして、こうした地形条件に加えて、中央本線も瑞浪市独特の都市景観に大きく関わっているように見えます。
中央本線は、S字状に蛇行する土岐川に覆いかぶさるような線形で市街地を通過しています。そのため土岐川は市街地内で三日月湖を思わせるような独特の形状となり、土地利用や市街地の広がりにも少なからず影響を与えているように感じられます。
こうした地形的・交通的な制約が重なった結果として、瑞浪市駅周辺には限られた平地へ都市機能が集積し、現在見られる都会的な密集感のある景観が形成されたのではないでしょうか。
最後に
Google Earthの3D表示をきっかけに抱いた東濃地域への関心は、この地域を構成する3都市そのものへの関心にも直結しました。
本来であれば、それぞれの都市の歴史や街の変遷を踏まえながら現在の景観についてさらに深く考察したいところです。しかし、その話を始めると際限がなくなりそうですので、本記事ではあくまでもGoogle Earth上での俯瞰から得た直感的な関心や印象の記述に留めることとしました。
今後も、ときに妄想に近い考察を交えながらGoogle Earthの世界を探究してまいりますので、お付き合いいただければ幸いです。
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