【グーグルアース】北海道登別市が3D表示になりました!登別温泉は?

グーグルアース 北海道登別市

グーグルアース 北海道登別市

2025年4月、北海道登別市はグーグルアースにおいて表示に3Dとなりました。

観光都市として国内外で有名な登別市の3D状況を精査していきます。

登別市は以外にも市内に複数の核がある都市です。

それぞれのエリアに表示の違いはあるのでしょうか。

まずは登別市の街の構成から

グーグルアース 北海道登別市

グーグルアース 北海道登別市

登別市は北海道中南部にあり室蘭市に隣接して太平洋に面しています。

登別市と言えば「登別温泉」「のぼりべつクマ牧場」というイメージを持つ人が多いでしょう。

そして登別駅を中心市街地が広がる都市だと思いがちです。

しかし登別市は違うのです。

北九州市さながらに複数の拠点が存在する都市なのです。

登別市は主に「」「」「」3つのエリアで構成されている都市です。これらのエリアが合併して誕生した自治体であるということも北九州市と成り立ちが似ています。

登別市自体はグーグルアースにおいて3D表示に移行しましたがこれら3つの各エリアの表示状況を確認していきましょう。

 

登別市 ①登別エリア・・・2D表示

グーグルアース 北海道登別市(登別地区)

グーグルアース 北海道登別市(登別地区)

市の名前「登別」エリアだけ2Dのまま

登別エリアは3つのエリアの中で隣接する室蘭市から最も離れていて単独で市街地を形成しています。前項で触れた通り、登別温泉を抱える登別村として単独の自治体だったからです。

国内外での認知度も人気も高い歴史ある登別温泉のお膝元です。

しかし登別駅の周辺市街地は3D表示に移行しておらず、従前どおり2D表示のままです。

室蘭市と同一市街地を形成している鷲別エリアと、登別市の中心市街地幌別エリアは室蘭市とともに3Dに表示が更新しました。

このような現状から今回の登別市の3D表示更新は室蘭市が目的であったと思われます。

 

登別市の代表駅は幌別駅ではなく登別駅

登別市の中心市街地は「幌別」であり幌別駅を利用する人は登別駅の2倍弱です。

しかし登別市の代表駅登別温泉の最寄り駅である登別駅です。

これを裏付けるように時刻表では登別駅を登別市の代表駅として表記しています。

市の代表駅「登別駅」:出典-1984年発売の時刻表(日本交通公社)

市の代表駅「登別駅」:出典-1984年発売の時刻表(日本交通公社)

出典-1984年発売の時刻表(日本交通公社)

出典-1984年発売の時刻表(日本交通公社)

札幌 函館 間を結ぶ特急列車「北斗」、札幌 室蘭 間を結ぶ特急「すずらん」が停車します(早朝の札幌→函館行き 北斗2号のみ通過)。そして札幌市内と新千歳空港方面の特急高速バスが発着します。

登別駅増築中

現在の登別駅駅舎はなんと1935年(昭和10年)から利用されている歴史ある建造物です。

そんな現在供用中の駅舎を残しつつ新しい駅舎を増築中です。

伝統ある駅舎を改築する際は、移築(国立駅や奈良駅など)する例外を除いてはほとんど破却(原宿駅など)すると思います。登別駅のように伝統ある現駅舎を残して(リフレッシュ実施)新たに増築する例は近年ではなかなか無いのではないでしょうか。

・かなり工事が進んでいる登別新駅舎(Xより)

登別新駅舎の概要

グーグルアース 北海道登別市(登別駅)

グーグルアース 北海道登別市(登別駅)

俯瞰表示では新築予定地前の建築物の撤去工事中の様子です。

グーグルアース 北海道登別市(登別駅)

グーグルアース 北海道登別市(登別駅)

ストリートビューではどの位置から見てもまだ建築物が残っています。

 

新しい登別駅や登別市街、ホテル旅館が林立する登別温泉郷を3Dで見ることが出来る日は来るのでしょうか。

 

登別市 ②幌別エリア・・・3D表示移行

グーグルアース 北海道登別市(幌別エリア)

グーグルアース 北海道登別市(幌別エリア)

登別市の中心、幌別

幌別は登別市の中心市街地です。また市役所の他、市立図書館や市民会館などの行政の施設が幌別地区に集中しています。登別市の中心は登別駅周辺じゃないの?・・・と私も最初は思ったものです。地元近隣の方以外でよほど詳しくなければそう思う方がほとんどだと思います。

 

町名変更して幌別町から登別町へ

昭和35年(1960年)登別市の前身別町議会は町名を「別町」に変更する議案を提出し翌年議決されました。

・自治体名(幌別)よりも「登別」の名称が世間に周知されている。

・国内外で有名な自治体名にすることで町の発展が期待できる

と、いった理由です。

 

これより以前に登別と登別温泉は「幌別」からの分離分村運動を展開した経緯がありますが、このような形で「登別」という自治体名が復活しました。

 

幌別の中心市街地は「鉄南」から「鉄北」へ

グーグルアース 北海道登別市(幌別エリア)

グーグルアース 北海道登別市(幌別エリア)

幌別は戦前まで室蘭本線から海側の「鉄南」エリアが街の中心でした。戦後、街の中心は反対側の「鉄北」に移りました。さらに昭和30年代、鉄南には幌別町役場がありましたが現在の鉄北の場所に役場を移転しました(鉄南地区住民は反対運動)。

 

室蘭本線 幌別駅

グーグルアース 北海道登別市(幌別駅)

グーグルアース 北海道登別市(幌別駅)

登別市の中心市街地の最寄りとなる幌別駅。

みどりの窓口がありますが自動改札やICカードの対応はありません。

幌別駅構造からわかるかつての中心「鉄南」

実はこの駅のホーム配置が面白いのです。

ホーム配置としては、現在の駅裏側(失礼な表現お詫びします)となる鉄南方面に単式ホーム、中心市街地がある鉄北方面には島式ホームが1本あります。

通常、単式ホームと駅舎がセットとなっていて街の顔として中心市街地側に向いています(前々項で紹介した登別駅を思い出してみてください)。

つまり前項で触れたとおり、現在の幌別駅のホーム配置は「鉄南」を街の中心とした名残だと思うのです。前項で紹介した「鉄南かつての中心」を思い出させてくれますね。

幌別駅で現在供用している駅舎は橋上駅舎というか「駅ビル+跨線橋」に近い感じ大変立派です。それゆえにホームの配置の違和感には気づきにくいものです。

グーグルアース 北海道登別市(幌別駅)

グーグルアース 北海道登別市(幌別駅)

 

 

登別市 ③鷲別エリア・・・3D表示移行

鷲別駅付近と美園町、若草町

グーグルアース 北海道登別市(鷲別エリア)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別エリア)

鷲別エリアにある美園町や若草町はもともと独立した行政単位(村)でしたが鷲別村とが合併した経緯があります。

そんな鷲別エリアも3D表示になりました。

 

かつてば湿地帯だった若草町

グーグルアース 北海道登別市(鷲別エリア)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別エリア)

数多くの住宅や商業施設が整然と並ぶ若草町ですが、以前は湿地帯だったということです。その為、道路は地盤の強い山すそに沿って走っていたそうです。今からは想像ができないですよね。

新駅は必要か

室蘭本線沿いに繁華なエリアを形成していますがこのエリアに駅はありません。

車社会であることは間違いないでしょうが若草駅(仮称)があったら・・・と地元民でもないのにと勝手な妄想をしています。

地域住民の鉄道需要が多いのでは・・・と思いました。

 

しかし一方でこんな事実もあるので新駅設置の動機付けには不利かな、とも。

若草町には登別市役所鷲別支所の若草分室がありました。近隣での役所手続きを望む地域住民の声が元となりました。しかしコンビニエンスストアでの書類発行サービスが開始してからは支所の存在意義が薄れ廃止となりました。

 

伊達氏主従入植の地

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅と片倉家入植場所)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅と片倉家入植場所)

鷲別は伊達家家臣の片倉家(お殿様と家臣団)が明治維新の後に新政府の命令で入植した土地です。

画像大きい赤い楕円形の丸は鷲別駅。

山すそにある赤い丸は片倉家入植した場所で案内板がある場所です。

登別市と同じ胆振総合振興局の属する伊達市はご存知の通り伊達氏(分家)による開拓です。

 

鷲別駅の今昔(現在)

 

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅現在)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅現在)

鷲別駅はJRの前身の国鉄のさらに前身の「北海道炭鉱鉄道」の停留所として1901年(明治34年)開設の歴史ある駅です。

隣駅の東室蘭駅からわずか1.9kmの位置にあり、登別市と室蘭市の境界ギリギリに位置してさながら室蘭市の市街地の中にある駅です。

現在は無人駅ですが、2015年までは有人駅でした。

そして現在は無人駅ではありますが特急列車(すすらん)が停車します。

(特急券を隣の東室蘭駅で購入する必要あり、です)

特急「ライラック」が室蘭と旭川を結んでいた時代は鷲別駅は通過でした。

 

鷲別駅の今昔(以前)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅以前)

グーグルアース 北海道登別市(鷲別駅以前)

以前は東室蘭駅の東側には「東室蘭操作場」が存在しました。大量の貨物の車両を留めておいたり、入れ替えをしたりする線路が幾重にも並んでおりました。画像の黄色いラインより右側と現在残る敷地(貨物駅)がそこにあたります。

現在は「東室蘭操作場」はなくなり、敷地の一部は貨物駅、そして残りは線路を撤去して市街地へと整備されています。

黄色い線がかつての室南本線上り(室蘭方面)が走っていて上りホームもありました。

下りホームは現在の場所と変わらず、鷲別駅の相対する上下ホームの間にはたくさんの線路と距離があったのです。

現在は駅舎は上りホーム側に移転しました。上下ホームも最小限の線路を挟んで向かい合っています。

 

登別市の3D表示エリアのおさらい

グーグルアース 北海道登別市(登別市3D境界線)

グーグルアース 北海道登別市(登別市3D境界線)

登別市を構成する3つのエリア「鷲別」「幌別」「登別」。

このうち、室蘭市と隣接している「鷲別」と「幌別」は室蘭市と共に3D表示になりました。

これら2つのエリアと離れた「登別」「登別温泉」は2D表示のままです。

このことから読み取れることは、登別市の3D表示移行は室蘭市の3D表示更新に付帯したということですね。

かつては分離分村の構想をもつなど「鷲別」「幌別」と一線を画す気概のあった「登別」ですが、幾多にもおよぶ室蘭市からの合併提言を「鷲別」「幌別」とで三位一体ではねつけるなど市内全域の結束力は現在も高いままです。

3D表示にエリア間の違いが生じましたが3エリアの結束力は色褪せません。

登別市は単なる観光都市にあらず、多面的に大変奥深い都市でした。

参考文献:新登別市史

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